OCR HOME の仕組み

資料をデータにして、仕訳を固めて、会計ソフトへ渡すまで

2026年9月8日時点の実際の状態を書いています。設計ではなく現物です。

1 全体の流れ

集める

顧問先から受け取り、紙はスキャンする。

置く

法人・期・書類種別・口座やカードごとに格納する。置き場所が費目の判断材料になる。

機械データにする

読み取って項目に分ける。種別ごとに項目が違う。

機械仕訳にする

過去の実績とルールで科目を決める。決められないものは仮払金で残す。

確認して出す

根拠の種類ごとに確認し、会計ソフト用のデータを出力する。

推測で埋めることはしません。決められないものは決めずに残し、人が見ます。推測で埋めた仕訳は、後から誤りを見つけられないためです。

2 データはどこにあるか

置き場入っているもの役割
名簿スプレッドシート会社一覧・決算月・資料種別・フォルダ・利用者と権限どの会社をどう扱うかの設定
会社ごとのスプレッドシート資料タブ/仕訳日記帳/各種マスタ/開始残高/試算表帳簿の正本
Google ドライブ資料の原本(法人 / 期 / 書類種別 / 口座・カードごと)証憑。00_未処理にあるものが手つかず

画面はスプレッドシートを見るための窓です。数字の正本は常にスプレッドシートにあるので、画面が壊れても帳簿は残ります。

3 仕訳の決まり方

上から順に判定し、当たったところで確定します。

  1. 学習した支払先過去に直した内容から覚えたもの。いちばん強い
  2. 支払先ルール支払先の名前から費目を決める
  3. 費目科目マスタ内容品目と支払先をキーワードで探して費目を決める
  4. 費目から科目・補助・税区分費目が決まれば、科目はここで自動的に決まる
  5. 取引先ルール上で決まらず雑費になったときだけ、支払先から科目を決める
  6. 該当なし → 仮払金推測しない。確認対象として残す

費目を中心のキーにしています。すべてがいったん費目に集まり、そこから科目を引くので、同じ性質のものが必ず同じ科目になります。

4 確認の粒度

全部見ますが、同じ手間はかけません。仕訳につく根拠の種類で決まります。

根拠の種類件数確認理由
前期と一致479まとめて前期と同じ処理。支払先ごとに1回
手書き指示120まとめて顧問先の指示どおり
資料に印字66まとめて読み取りが合っているかだけ
要確認851件ずつ顧問先に聞く必要がある
前期から推定(資料なし)771件ずつ資料が無く、前期から補った
こちらで計算211件ずつ資料の金額をそのまま使っていない
判定なし151件ずつ根拠を分類できなかった
前期と相違141件ずつ方針変更か誤りか、機械には分からない

877件のうち、1件ずつ見るのは212件。残り665件は種類ごとにまとめて承認できます。

5 資料と仕訳の対応

資料の1行に「どの伝票になったか」を持たせています。これが無いと、まだ処理していないのか、もう入れたのかが分かりません。

資料件数仕訳に紐づいた仕訳を持たないもの
口座明細331228対象外91(生活費・資金移動)/期外11/要判断1
クレジットカード明細453453なし
領収書137135重複2
その他資料15参考資料15(通知・納付書・メモ)

6 人に出す前の機械チェック

人の確認は最後の砦であって、一次検査ではありません。機械で潰せるものを人に出しません。9つ見ます。

見るものいまの結果
貸借が一致しているか一致(15,323,381)
伝票ごとに貸借が合っているか380伝票すべて一致
口座の残高が前行から繋がるかすべて一致
借方も貸方も科目が空の行なし
根拠が空の行なし
資料から起こしたのに原本に戻れない行なし
要確認なのに理由が無い行なし
預金・現金に消費税区分が付いている行なし
どの仕訳か特定できない行1件

7 いまできていないこと

項目状態影響
読み取りの自動化動いていない資料から項目を取り出すところが手作業。顧問先が増えるとそのまま手間が増える。いちばん大きい穴
学習した支払先の画面画面に無いいちばん強いルールが確認も修正もできない
会社ごとの設定ファイル無い設計上は前提だが実在しない。いまは名簿スプレッドシートで代用
会計ソフトへの出力未実行機能はあるが、今期はまだ1件も出していない

8 なぜ「仕組みの外」の会社ができたのか

GOLD DESKは、仕訳を判定する仕組みが一度も動かないまま半年ぶんの帳簿ができました。877件は手作業です。原因は5つで、どれも仕組みの側にあります。

原因何が起きたかどう直すか
手で埋められることが故障を隠した仕組みが動かなくても、手で作れば帳簿は完成する。成果物が出るので、うまくいっているように見えてしまう。これが最大の原因各段が実際に何件決めたかを記録する。0件なら動いていないと分かる
足りなくても黙って動く判定に使う表が1つも無くても、エラーも警告も出ない。ただ何も決まらないだけ会社を始めるときの必要条件を定義し、揃っていなければ点検で名指しする
会社ごとに手で組み立てる作りだった新しい会社を始める手順が決まっておらず、人が覚えている前提だった「準備」を1回叩けば必要な表が揃うようにする
設計書と実物が照合されない設計書には自動で学習する仕組みが書いてあるが、この会社では実在しなかった設計書に書いた実行体が本当にあるか、機械で確認する
一方通行だった資料から仕訳へ行くだけで、戻る道が無い。何が処理済みか分からない資料の行と仕訳を対で持つ

手作業の量が見えていれば、半年も気づかないことはありませんでした。いまは「推定入力」「こちらで計算」の件数が出るので、多ければ仕組みが働いていない合図になります。

9 繰り返し作業の自動化

会社と期が変わるたびに発生する作業を1つにまとめています。

やること中身
開始残高前期の申告済み補助残高試算表を自動で探して取り込む。費用・収益は繰り越さない。試算表に補助が無い口座は通帳の期首から補う
資料種別データの中身とドライブのフォルダから、種別・件数・フォルダの対応を作る
紐づけ資料の行と仕訳の伝票を対応させる。対象外・期外・重複・参考資料・未処理を区別する
点検上の9項目

会社ごとの値は持っていません。名簿スプレッドシートとドライブのフォルダ構成から読みます。1つ足りなくても止まらず、足りないものを名指しで出します。

10 よくある質問

結局これは何をする道具ですか
資料を会計帳簿にする道具です。以前は「経費を拾う」道具として作られていて、売上・資産・負債が扱えませんでした。いまは資産負債の増減とその要因を記録する形に寄せています。
なぜ「対象外」があるのですか。仕訳が起きないことはないのでは
そのとおりです。口座やカードの明細は、お金が動いた記録なので必ず仕訳になります。いま「対象外」になっている91件は、個人名義の口座の生活費です。この口座は会社の資産として載せていないため、その中の私的な支出は会社の取引ではありません。会社が立て替えてもらった分だけを短期借入金で記録しています。
個人口座の残高はどう管理していますか
短期借入金の補助科目「個人通帳」で追えます。期首0、立替で2,339,326増え、会社からの送金で1,637,546減って、期末は701,780です。以前は期末に一本の振替で残高を0にしていたため動きが追えませんでしたが、返済を発生した日ごとに付け替えて直しました。
開始残高はなぜ必要ですか
期の途中から使い始めることがあるからです。帳簿の残高は「開始残高+期中の増減」なので、開始残高が無いと補助科目の残高が意味を持ちません。前期の申告済み補助残高試算表が正本です。費用と収益は毎期0から始まるので繰り越しません。
負債の残高がマイナスになっていますが問題ないですか
構いません。実質は貸付になっているだけで、動きは追えています。決算で表示を組み替えるかどうかは別の判断です。
「前期と相違」は誤りということですか
違います。方針を変えたのか、前期が粗かったのか、今期が誤っているのか、機械には区別できません。だから「違う」という事実だけを出して人に見せます。機械が勝手にどちらかへ寄せることはしません。
資料が無いのに仕訳がある行があるのはなぜですか
エポスカードのように明細が届いていないものを、通帳の引落額と前期の内訳から組み立てているためです。入力方法を「推定入力(資料なし)」にして、資料があるものと区別しています。77件あります。
チェックは全部見なくていいのですか
全部見ます。ただし同じ判断を何度もしません。「前期と一致」のように種類が同じものは支払先ごとにまとめて承認し、判断が要るものだけ1件ずつ開きます。行が増えても確認の回数は増えません。
読み取りが自動でないとは、どういう意味ですか
資料の画像から日付・支払先・金額を取り出す部分が、いまは手作業だということです。設計上は自動で動く前提ですが、この会社では動いていません。ここが自動にならないと、顧問先が増えたときに手間がそのまま増えます。いちばん優先して直すべきところです。
なぜ半年も気づかなかったのですか
私が手で埋められてしまうからです。仕組みが動かなくても、手作業で帳簿は完成します。成果物が出てしまうので、故障が表面化しません。いまは各段が何件決めたかと、手作業の件数が出るようにしたので、0件なら動いていないと分かります。
他の会社でもそのまま使えますか
仕組みは会社を選びません。ただし会社ごとに揃っているものが違います。ルールの表、前期の試算表、仕訳の元になる帳簿。足りないものは名指しで出るので、そこから埋めていく形になります。
間違って上書きして消えることはありませんか
書き換えの前後で、項目ごとに値の入っている行数を比べます。減っていたら止まります。意図して空にする場合だけ、理由を明示して通します。これは実際に3,000行以上を消す事故を起こしたあとに入れた仕組みです。
会計ソフトはもう使わないのですか
使います。税務ソフトとの連携に要るためです。この道具は、会計ソフトに取り込む前に仕訳を固めるためのものです。取り込んでから直すのは手戻りが大きく、科目ごとの残高を見ながら詰めることもできないからです。
資料の原本はどう見ますか
データの画面から「元の資料」を押すと、その資料が入っているドライブのフォルダが開きます。行ごとにも画像の場所を持っています。
「参考資料」とは何ですか
納入告知書・納付書・手書きメモなど、それ自体は仕訳にならないものです。金額は口座やカードの側で計上済みです。以前は「未処理」と表示していたので、やり残しに見えていました。
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